猫と暮らす前に知っておきたい爪とぎの種類と選び方

支柱型のつめとぎで爪をとぐ猫

猫と一緒に暮らすうえで欠かせないアイテムのひとつが「つめとぎ」です。猫は本能的に爪を研ぐ習性を持っており、つめとぎがないと家具や壁が傷ついてしまうことも。とはいえ、つめとぎには素材や形のバリエーションが豊富で、どれを選べばよいのか迷ってしまう飼い主さんも多いはず。本記事では、つめとぎの種類を「素材」と「デザイン」の2つの観点から解説し、猫と暮らす前に知っておきたい選び方のポイントをご紹介します。

素材から選ぶ

猫のつめとぎに使われる素材は、ダンボールと麻縄の2種類が定番の素材です。まずはスタンダードなものを使ってみて、猫が慣れてきたら綿縄や布素材などのちょっと変わった素材を試してみるとおもしろいと思います。

ダンボール

ダンボールを何重にも重ね合わせて作られたタイプで、猫のつめとぎとしては最もポピュラーな素材です。柔らかい素材のため子猫やシニア猫にも使いやすく、価格もリーズナブル。軽くて移動も簡単ですが、削りカスが出やすい点は注意が必要です。

つめとぎ用のダンボールは、通常のダンボールよりも耐久性の高い強化ダンボールが使われていますが、メーカーによって「大人が乗っても問題のない耐久性」「10年使える耐久性」「超強力なダンボールを使用」など説明もバラバラなので、どの程度長持ちするのかは実際に使ってみないとわかりません。

麻縄

縄を巻き付けたタイプのつめとぎには、ザラザラした「麻縄」と柔らかい「綿縄」の2種類があります。

頑丈で長持ちする麻縄は、力強く爪を研ぐ成猫や大型猫におすすめ。キャットタワーの支柱などに巻かれていることが多く、爪のひっかかりもよいため満足感があります。つめとぎとしては定番の素材なので、はじめてつめとぎを買うときはダンボール素材と麻縄素材のものを1個ずつ用意すると良いでしょう。ただし、チクチク感があるので敏感な猫には合わない場合もあります。

紙縄

紙縄タイプのつめとぎは猫の爪に引っかかりやすく、やさしい研ぎ心地が特徴です。麻縄に比べて研ぎカスが少なく耐久性にも優れているため、掃除の手間も少なく長く楽しめます。

綿縄

綿縄は非常に柔らかく、研ぎカスがほとんど出ないのが特徴です。逆に爪への引っ掛かりは少ないので、麻縄でバリバリと爪を研ぐことに慣れてしまっている猫にとっては物足りなく感じるかもしれません。以前はいくつかの有名メーカーから発売されていましたが、2025年現在は見かることが少なくなりました。

ボードやボウルに布が貼られているタイプのつめとぎです。猫によって好みが別れるところですが、シーツやソファなど、布をバリバリといたずらする猫には相性が良いかもしれません。耐久性が高いので長く使えるのがメリットです。

デザインで選ぶ

猫のつめとぎとして定番のデザインは、ボード型(板型)、ポール型(支柱型)の2種類ですが、キャットベッドやキャットハウスとして使えるものなど、デザイン性に優れた製品も多くあります。

ボード型(板型)

床や壁に置いて使うシンプルな形状。猫のつめとぎとしては最もスタンダードなタイプです。場所を選ばず設置でき、価格も手ごろです。使わなくなったら処分も簡単なので、初めての爪とぎに最適です。ほとんどがダンボール素材か縄素材のものですが、少し変わったものだと、畳を使ったタイプなどもあります。

ポール型(支柱型)

支柱に麻縄や綿縄が巻きつけれられたタイプのつめとぎです。ボード型と違って、両手で抱きかかえるようにして、より強い力で爪がとげるので、ストレス解消にも効果的です。また、背伸びをしながら研げるので、ストレッチ効果も期待できるでしょう。キャットタワーの支柱の多くはこのポールタイプのつめとぎになっています。

サークル型

円形のくぼみやベッド状になっている爪とぎ。爪を研ぐだけでなく、くつろぎスペースとしても使えます。多頭飼いの家庭では取り合いになることもあるほど人気です。ダンボールで作られているので比較的リーズナブルに購入でき、デザインもおしゃれなものがたくさんあります。

ハウス型

爪とぎと隠れ家が一体化したタイプ。中に入って遊んだり休んだりできるので、活動的な猫や安心できる場所を求める猫に向いています。インテリア性も高く、置くだけで猫専用スペースが完成します。

ハウス型

コーナー型

部屋の中の柱や家具の角(直角になっている部分)に設置するタイプのつめとぎです。つめとぎとしてだけでなく、壁紙やソファを守れるという利点もあります。さらに上に乗ることもできるので小型のキャットタワーとしても使えます。

まとめ

猫の爪とぎは「素材」と「デザイン」の組み合わせによって、使い心地や耐久性が大きく変わります。

  • 柔らかさや削れ具合を重視するならダンボールや布
  • 耐久性や満足感を求めるなら麻縄や綿縄
  • 設置場所や猫の好みに合わせるならボード型・ポール型・サークル型などデザインで工夫

よく「猫が壁や家具でつめとぎをして困っている」という話が聞かれますが、猫の立場からすれば、気持ちよく爪がとげる場所がないからそうしているのであって、快適なつめとぎ環境を用意してあげればそちらを使ってくれるはずです。大切なのは、猫の性格や好みに合った爪とぎを選ぶことです。いくつか試してみて「お気に入り」を見つけてあげれば、猫も飼い主も快適に暮らせるでしょう。

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