猫は高齢になると腎臓や尿管などの泌尿器系の病気が多くなることで知られていますが、これらのリスクを軽減し、健康で快適な毎日を過ごすためには、ストレスのないトイレ環境を作ることが非常に重要です。
今回は初めて猫と暮らす方のためのキャットトイレの選び方を紹介します。これから初めてキャットトイレを購入するという方はもちろん、2台目のトイレを検討している方もぜひ参考にしてください。
いろいろな種類のキャットトイレ
当サイトのキャットトイレのページを見ていただくとわかるように、キャットトイレは様々なデザインのものがありますが、機能面で大きく分類すると、オープン型トイレ、オープン型システムトイレ、フード型トイレ、フード型システムトイレの4種類に分けられます。それぞれの特徴を表にまとめましたので下記をご覧ください。
オープン型 トイレ |
オープン型 システムトイレ |
フード型 トイレ |
フード型 システムトイレ |
|
---|---|---|---|---|
価格 | ◎ 非常に安い |
◯ 安い |
△ 普通 |
△ 普通 |
通気性 | ◯ 良い |
◯ 良い |
× 悪い |
× 悪い |
猫砂の飛散 | △ 飛び散る |
△ 飛び散る |
◯ ほぼ無し |
◯ ほぼ無し |
猫砂の処理 | △ その都度 |
◯ 少ない |
△ その都度 |
◯ 少ない |
本体の掃除 | ◯ 簡単 |
△ やや面倒 |
◯ 簡単 |
△ やや面倒 |
システムトイレと普通のトイレの違い
トイレの底が二重構造になっているキャットトイレは一般的に「システムトイレ」と呼ばれます。
システムトイレは猫砂を入れる部分がすのこ状(メッシュ状)になっており、その下の引き出しになっている部分にトイレシートを入れて使います。猫の尿がすのこを通って、下のトイレシートに吸収される仕組みになっているため、その都度猫砂を取り除く必要がありません。仕事などで長時間自宅を留守にする場合はシステムトイレにした方が良いでしょう。
一方、システムトイレではない普通のトイレは基本的に単なる箱と同じ構造なので、尿で固まるタイプの猫砂を使い、猫が尿をするたびに固まった猫砂を取り除く必要があります。システムトイレよりも手間はかかりますが、尿の染みこんだシートがトイレ内にあるわけではないので、きちんと処理さえしていればニオイがこもるようなことはありません。
オープン型とフード型の違い
キャットトイレには屋根の付いていない「オープン型」と、屋根が付いている「フード型」の2種類があります。
オープン型は通気性に優れておりニオイが篭もりにくく、掃除もしやすいため、清潔な環境を保ちやすいのですが、猫砂が飛び散りやすいというデメリットもあります。
フード型は別名ドーム型とも呼ばれており、名前の通りトイレ全体が屋根で覆われているため、猫が回りの目を気にせずに安心して用を足せます(見晴らしの良い場所の方が安心する猫もいるので一概に言えませんが……)。また、トイレの後の砂かきが激しい猫でも、フード型なら砂が飛び散ることはほとんどありません。
初めてキャットトイレを購入する方はオープン型とフード型のどちらが良いのかで悩むと思いますが、これは猫の好みやそれまでの生活環境によって変わってくるので、どちらが良いということは一概に判断できません。
人間の都合で考えた場合は猫砂の飛散が少なく、掃除の手間も少ないフード型のシステムトイレが便利ですが、猫側の視点で考えた場合は専門家の間でも意見が分かれるところで「フード型は排泄の様子を周りから見られることがないので猫が安心して使える」という意見もあれば、「排泄中に敵に見つかってもすぐに逃げられるような見通しの良い場所の方が安心できるためオープン型が適している」という意見もあります。
一番良いのは「オープン型とフード型を両方並べてみて、猫が選んだ方にする」という方法ですが、それが難しければオープン型のシステムトイレが一番使いやすいのではないかと思います。
ちなみに我が家に2匹いる猫は、1匹は体が大きいのでオープン型、もう1匹は10年以上前からずっと使っているフード型を利用しています。
子猫の頃から一緒に暮らしている場合は、ずっと使っているものが一番安心して使えるので、サイズが小さすぎたり壊れたりしていない限りは無理に変えない方が良いでしょう。
キャットトイレを選ぶときのチェックポイント
ここまでにオープン型、フード型、システムトイレについて説明しましたが、それ以外にチェックしたいポイントをピックアップしてみましょう。
トイレの大きさは猫の体型に合っているか?
キャットトイレの大きさは利用する猫の体の大きさの1.5倍以上あるのが望ましいと言われています。
猫の体長は「胸からお尻まで」の長さなので、例えば体長40cmの猫であれば、奥行き60cm以上の広さのあるトイレが理想ということになります。
体重が5kgを超えるくらいになると、国内メーカーから発売されているキャットトイレでは少し小さいことがあるため、体の大きな猫のトイレを選ぶ時は特に注意しましょう。
フードを外さないで掃除ができるか?
フード付きトイレはトイレの中の様子が見えにくいため、汚れた猫砂を取り除くときなどにフードを取り外して掃除しなければなりませんが、Moderna ProductsのフリップキャットやSAVICのネスターコーナーのように前面の扉を大きく開くことで、フードを付けたままでも掃除がしやすくなっているものもあります。頻繁に掃除をしたい方にはとても役立つ機能です。
スコップホルダーは付いているか?
トイレ本体にスコップホルダーが付いていない場合、トイレの横に別途スコップを立てておける場所が必要になるため、できればスコップホルダーが付いている方がトイレ周りがすっきりまとまります。
自宅のトイレは猫砂を流しても問題ないか?
トイレに流せるタイプの猫砂は処理が簡単なこともあり、とても人気がありますが、自宅のトイレや浄化槽の環境によっては、詰まってしまう場合があるため注意が必要です。私も以前、水道屋に確認せずに猫砂を流していたところ、浄化槽の清掃が必要になってしまい数万円かかったことがありました。
トイレに流せない場合はリターロッカーなどの猫砂処理ポッドを利用すると良いでしょう。
猫用システムトイレの定番メーカー3社の比較
猫用トイレを製造・販売しているメーカーの中でも特に人気の高い、花王、ユニ・チャーム、アイリスオーヤマの3社の商品の中から、おすすめのシステムトイレをピックアップして比較しました。
商品名 | サイズ | 価格 | |
花王 ニャンとも清潔トイレ オープンタイプ |
40×55×26cm | ¥1,890 | |
unicharm 消臭・抗菌デオトイレ ハーフカバー |
40×52.5×26cm | ¥1,355 | |
花王 ニャンとも清潔トイレ ドームタイプ |
40×55×43cm | ¥2,461 | |
unicharm 抗菌デオトイレ フード付き本体セット |
40.5×54×43cm | ¥1,480 | |
IRIS OHYAMA ネコのトイレ NE-550 |
55.7×45.2×16cm | ¥1,382 | |
IRIS OHYAMA 砂落としマット付脱臭ネコトイレ |
41×52×42cm | ¥3,371 |
体重5kg以上の大きな猫でも使える大型のキャットトイレ
猫のトイレの大きさは猫の体長(胸からお尻までの長さ)の1.5倍以上あるのがちょうど良いと言われています。
インターネットでの買物で非常に多い失敗が「商品が届いたら思っていたよりサイズが小さかった(あるいは大きかった)」というものですが、このような失敗をする人は、きちんとサイズを測らずに購入している場合がほとんどです。設置場所と猫の体の大きさを確認して、最適なサイズを選びましょう。
商品名 | サイズ | 価格 | |
Moderna Products メガトレー ネイビー |
49×66×27cm | ¥3,040 | |
Moderna Products メガコンフィ |
49×64×46cm | ¥10,229 | |
Petio necoco 上から入るキャットトイレ |
51×64×42cm | ¥4,101 | |
Moderna Products フリップキャット JUMBO |
44×57.5×41cm | ¥4,511 |
子猫にぴったりの小型キャットトイレ
子猫の時期は普通のキャットトイレだと段差が高くて登れないことがあるため、スロープを使うか、小型のキャットトイレを利用するのが良いでしょう。わずかなスペースがあれば設置できるので、ケージの中に置く場合にも便利です。
商品名 | サイズ | 価格 | |
BONBI しつけるトイレ |
41×30×12 | ¥1,705 | |
Bonbi ラクラクキャットトイレ Wブロック |
40×30×20 | ¥3,640 | |
Richell リッチェル こネコのトイレ |
40×29.5×17 | ¥1,008 | |
Richell コロル ネコトイレF40 |
40×29×16 | ¥1,156 |
人の利便性よりも猫の快適さを重視したトイレ選びを
以上、キャットトイレの選び方を紹介しました。
初めてキャットトイレを購入しようとしている人、あるいはそうでない人でも、毎日の仕事が忙しかったりすると、ついつい「掃除が簡単」「猫砂を長期間交換しなくても大丈夫」など、人間の都合で選んでしまいがちですが、一番重要なのは猫が快適に使えるかどうかということです。一緒に暮らしている猫の行動や嗜好を日頃からよく観察して、最適なトイレ環境を作りましょう。