猫の食事は一度にまとめて与えると肥満や嘔吐の原因になりやすいため、成猫は朝晩の2回、仔猫の場合はさらに複数回に分けた方が良いとされています。しかし、一人暮らしで仕事の帰りが遅くなったり、家族で週末に旅行をするとなると、なかなか決まった時間に決まった量の食事を与えるのが難しい場合もあるでしょう。
今回はそんなときに便利な猫の自動給餌器について解説したいと思います。各項目をクリックすると該当記事へスクロールします。
猫の自動給餌器はどんなときに使うのか?
まずはじめに、自動給餌器はどのようなときに役に立つのかを考えます。主な用途は「食事量の管理」と「留守番中の給餌」ですが、以下に具体的な利用シーンを挙げて解説します。
ダイエット中で食事管理が必要な時
猫が肥満気味になってしまい食事制限が必要な場合、毎日決まった時間に決まった量の食事を与えられる自動給餌器は非常に便利です。1回の食事量は数グラム〜数十グラム単位で細かく指定できるので、猫の体重をチェックしながら調整し、効率的にダイエットをできます。
短期の旅行をするとき
1泊2日などの短期の出張や旅行で家を留守にする際、留守番中の猫に決まった時間に食事をさせたいときにも自動給餌器が役立ちます。機種によって給餌できる回数が異なるので、1日の食事の回数に合わせて選ぶと良いでしょう。
尚、2泊以上留守にする場合はトイレの掃除などもあるので、猫だけに留守番させず、ペットシッターなどのサービスを利用したり、知人に面倒を見てもらうようにしましょう。
残業が多く決まった時間に帰れない時
残業の多い仕事や帰宅時間が毎日違うような仕事をしている場合でも、自動給餌器を使えば、決まった時間に猫に食事を与えられます。特に一人暮らしの人にとっては一台あるといざというときに便利です。
猫が早朝や深夜にごはんをねだるとき
お腹が空いたら早朝や深夜でもかまわず、にゃあにゃあと食事をねだる猫は少なくありません。「ごはんの時間まで我慢しようね」と言って素直に理解してくれる仔は良いのですが、そうでない場合は食事がもらえるまで延々と鳴き続けるため、人間も寝不足になりますし、ご近所トラブルの原因にもなりかねません。
そんなときは毎日猫が食事をねだる時間に自動給餌器のタイマーをセットして食事やおやつを与えれば、就寝中のにゃあにゃあに悩まされることもなくなるでしょう。
自動給餌器の種類
自動給餌器は大きく分けるとトレイタイプとストッカータイプの2種類があり、さらに用途によっていくつかの種類に分けられます。
トレイタイプ(箱型)
タイマーで設定した時間にフードトレイ(食器)のフタが開くタイプの自動給餌器で、1回もしくは2回の食事に対応しています。
後述するストッカータイプと違い、ドライフードだけでなくウェットフードも入れられるので、1個はドライフード、もう1個はウェットフードというように使い分けることも可能です。
他の自動給餌器に比べて価格も安いため、1回分の食事に使いたいというときに便利ですが、力の強い猫はフタを無理矢理こじ開けてしまう可能性があるので、実際に留守番で使う前に何度かテストをした方が良いでしょう。
トレイタイプ(円型)
タイマーで設定した時間に円盤型のトレイ部分(もしくはフタ部分)が回転し、1回分の食事ができる仕組みの自動給餌器です。
基本的な特徴は箱型のトレイタイプと同じですが、箱型よりもトレイの数が多く、最大で4〜5回の食事に対応しているので、1泊旅行をするならこちらの方が良いでしょう。
箱型と違ってフタを無理矢理こじ開けられる心配はありませんが、腕力の強い食いしんぼう猫はトレイを手で回転させて次の食事を食べてしまう場合があるので、残念ながらこちらも100%安心というわけではありません。
ストッカータイプ(自動補充型)
食事をしてフードが減るとストッカーの中のドライフードが減った分だけ自動的に補充される仕組みの自動給餌器です。食事量の調整などはできないので、適切な量を自分で食べられる猫は問題ありませんが、あればあるだけ食べてしまう猫には使えませんし使ってはいけません。また、ストッカータイプはドライフード専用なのでウェットフードは入れられません。
ストッカータイプ(タイマー給餌型)
タイマーで指定した時間に指定した量のドライフードを与えられる、フードストッカーを兼ねた自動給餌器です。
給餌の時間になると予め録音した人の声で呼びかけたり、スマートフォンのアプリから話しかけたり、カメラで食事の様子を見られたりと、メーカーのよって様々な機能が付いているのも特徴です。
留守番時の使用だけでなく、毎日の食事量・食事時間をきちんと管理したい場合にはこちらのタイプが最適です。
自動給餌器20機種の比較表
現在オンラインで購入できる20機種の自動給餌器をタイプ毎に分類して比較表を作りました。画像をクリックすると各製品の詳細ページに移動します。それぞれのスペックを見比べながら自分の用途に合った製品を見つけて下さい。
※価格は2017年4月10日時点のAmazon.co.jpでの販売価格です。
商品 | 価格 | 電源 | タイマー | 容量 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
DoggyMan / CattyMan ドギーマン おるすばん食器 |
¥1,938 | 電池 | アナログ (48時間) |
220g (1食分) |
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WOpet おるすばん食器 1食分 |
¥2,000 | 電池 | アナログ (48時間) |
225g (1食分) |
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WOpet おるすばんフィーダー 2食分 |
¥3,200 | 電池 | アナログ (48時間) |
225g×2 (2食分) |
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PetSafe おるすばんフィーダー 2食分 |
¥4,350 | 電池 | アナログ (48時間) |
150g×2 (2食分) |
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山佐時計計器 わんにゃんぐるめ CD-400 |
¥5,137 | 電池 | アナログ (48時間) |
160g×2 (2食分) |
日本製 |
PetSafe おるすばんフィーダーデジタル 2食分 |
¥7,280 | 電池 | デジタル | 200g (2食分) |
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ottostyle オートペットフィーダー |
¥3,980 | 電池 | デジタル | 170g×4 (4食分) |
音声録音機能 |
ケッセルジャパン ペットディッシュ |
¥5,800 | 電池 | デジタル | 180cc×6 (6食分) |
音声録音機能 |
PetSafe おるすばんフィーダー デジタル5食分 |
¥5,980 | 電池 | デジタル | 100g×5 (5食分) |
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WOpet オートペットフィーダー |
¥7,168 | AC電源/電池 | デジタル | 240ml×5 (5食分) |
音声録音機能 |
商品 | 価格 | 電源 | タイマー | 容量 | 特徴 |
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IRIS OHYAMA ペット用自動給餌器 JQ-350 |
¥1,409 | なし | なし | 1500g | フードが減ったら 自動で補充 給水器付き |
PetSafe ヘルシーペットフードステーション |
¥3,400 | なし | なし | 900g | フードが減ったら 自動で補充 |
ottostyle オートマチックペットフィーダー |
¥4,280 | 電池 | デジタル (5時から24時の範囲で3回) |
2100g | タイマー給餌 音声録音機能 給餌量:28〜335g 調節幅:12段階 製品保証1年 |
オートペットフィーダー PLTR |
¥8,500 | 電池 | デジタル (1日6回) |
1500g | RoHS指令対応 タイマー給餌 音声録音機能 給餌量:4〜396g 調節幅:4g刻み 製品保証1年 |
うちのこエレクトリック カリカリマシーン |
¥9,200 | AC電源/電池 | デジタル (1日4回) |
1800g | 会話機能 カメラ機能 タイマー給餌 音声録音機能 給餌量:10〜100g 調節幅:10g刻み 製品保証1年 |
ルスモ ルスモ ペットフード オートフィーダ |
¥9,315 | 電池 | デジタル (1日3回) |
1000g | RoHS指令対応 タイマー給餌 給餌量:5〜80g 調節幅:5g刻み 製品保証1〜2年 |
Petmate NEWビストロ ブラック |
¥10,300 | 電池 | デジタル (1日3回) |
2000g | タイマー給餌 給餌量:23〜276g 調節幅:23g刻み |
PetWatch ペットウォッチ 自動給餌器 |
¥13,698 | AC電源 | デジタル (1日5回) |
700g | タイマー給餌 音声録音機能 給餌量:5〜10g 調節幅:5g刻み |
山佐時計計器 わんにゃんぐるめ |
¥14,500 | AC電源 | デジタル (1日5回) |
700g | タイマー給餌 音声録音機能 給餌量:5〜10g 調節幅:5g刻み |
RINN PETLY |
¥35,900 | 電池 | デジタル (1日4回) |
1000g | 国内生産 RoHS指令対応 タイマー給餌 給餌量:5〜10g 調節幅:5g刻み 製品保証1年 |
自動給餌器を選ぶポイント
上記の比較表の内容について、よくある質問をまとめました。はじめて自動給餌器を購入する方は一度チェックしてみてください。
デジタルタイマーとアナログタイマーの違いは?
アナログタイマーはダイヤルを回すだけで手軽に設定できる反面、設定時間に誤差が出る可能性が高く、機種によっては1時間以上ズレることもあるようです。また、設定できる時間は最大で48時間までであり、タイマーが動作中している間はジリジリと音がします。一方、デジタルタイマーは設定した通りの時間にきちんと動作し、動作音もありませんが、アナログタイマー式に比べて価格が高くなります。時間のズレと動作音が許容できるならアナログタイマー式でも問題ありませんが、予算が許すならデジタルタイマー式を選びたいところです。
フードの容量について
一般的な自動給餌器は犬にも使えるように作られているので、フードトレイ型で1トレイあたり100g〜200g、フードストッカー型では900g〜2000gと十分な容量があり、猫の使用において容量が足りなくて困ることはないでしょう。尚、猫の1日あたりの食事給与量の目安は年齢や体重、フードの種類によって異なりますが、おおよそ30g〜80gです。
参照:キトン – ロイヤルカナン
フードトレイ型は1食分〜6食分まであるがどれが良いか?
例えば、1泊旅行をする際に留守中の猫に給餌したい場合は、少なくとも1.5日分の食事が必要なので、1日2回食事をする猫なら3食分以上の給餌ができる自動給餌器が好ましいでしょう。早朝に出発して夜に帰るくらいの日帰り旅行であれば1食分の給餌器で十分です。尚、フードストッカー型の自動給餌器であれば10日以上の食事量をストックできるのでこの心配はいりません。
電池式とAC電源式はどちらが良い?
自動給餌器には電池で動く電池式とコンセントで動くAC電源式、その両方を備えたハイブリッド式の3種類があります。
電池式
電池式の自動給餌器の一番のメリットは、場所を選ばずどこでも設置できるということです。AC電源式の場合はコンセントからアダプタケーブルが届く範囲内にしか設置できないため、テーブルや棚の上に置くのが難しいことがありますが、電池式ならその心配はありません。電池の交換目安はメーカーや機種によって異なりますが、数ヶ月から半年くらいのものがほとんどなのでそれほど手間もかかりません。また、機種によっては電池残量を表示できるものもあります。現在販売されている自動給餌器は90%以上が電池式タイプです。
AC電源式
コンセントにACアダプタを挿して使うタイプの自動給餌器です。電池式に比べると設置場所の自由度は低いですが、電池切れの心配がないため、毎日使う場合や定期的な電池交換が面倒という人に適しています。留守中に停電した場合は動作が止まってしまうことがありますが、設定自体がリセットされることはないので、電気が復旧すればタイマーの時間通りに動きます。
ハイブリッド式
電池とAC電源の両方で動作するタイプの自動給餌器です。電池と併用することで留守中に停電があっても動作が止まることがないため、宿泊旅行の際などでも安心して使えますが、対応している機種が少ないのが難点です。
RoHS指令とは?
RoHS(ローズ)指令(有害物質使用制限指令)とは、電気製品の安全なリサイクルを目的として、2006年7月1日に欧州連合(EU)によって施行された指令です。
これに対応している製品は基準値を超える指定有害物質を含まない原材料を使用しているため、どこで作っているのかわからない海外製の製品を選ぶ際には安全を判断する上でのひとつの目安になります。自動給餌器は猫が直接舐めるものなので、できる限り安心なものを選びたいところです。
参照:RoHS指令について – 経済産業省